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| 日本のニュータウンのような風景 |
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| コミュニティーセンター |
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| 住棟の1階部分。旅行代理店が入っていた |
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| 歩者分離が「都市の死角」をつくってしまった。人影もまばら |
環状線を南部に下ると、デザイン重視のオランダの風景には、似つかわしくない無機的なコンクリートのアパート群を発見する。噂通り、なんとなく閑散とした人気のない雰囲気が漂っている。このプロジェクトは、当初、近代建築の巨匠、ル・コルビジェが提唱した集合住宅を高層化することにより、緑豊かなオープンスペースを都市に作り出すという『輝く都市』をモデルに作られたはずだった。高密度で広場などオープンスペースの少ない都会の生活よりも、緑豊かな街が実現できる高層住宅に大きな期待が寄せられていたからだ。18,000軒もの住宅が供給され、そのうち13,000戸はアパートとして建設された。
しかし、1975年、南米のスリナム共和国がオランダから独立したのを契機に、大量の移民がオランダ本国にやってきた。自国の政治不安定、先行き不透明を懸念しての事だが、移民集団は、家賃の安い、アパート群に住みつきはじめた。その影響で、中流階級のオランダ人は、この地を遠ざかり、結果として、低所得者の集まる場所、黒人の住みつく場所というレッテルが張られる。しかも、アムステルダム有数の治安の悪い地域になったそうだ。そうなると、折角、作られた、緑豊かな公園は、たちまち、犯罪の温床と化した。
吉良さん自身も、サイクリング中、白昼堂々と、黒人グループに顔を殴られたそうだ。土地の有効利用という概念から始まったスーパーブロック(巨大街区)で作られたニュータウンには、歩車分離の原則が徹底されている。一見、車による事故を未然に防ぐ理想郷に思えるが、これは、『都市の死角』を随所に作る事になり、その結果、犯罪を助長させている。
今では、改善策として、歩車分離の撤廃、地区活性化の一環として、西部地区に、ビジネスセンターや、アヤックス<オランダサッカー一部リーグのホームスタジアム>などを誘致し、スラムクリアランスによる治安改善が推進されている。これは、西欧では、よくある手法で、治安の悪い地域に、大勢の人を集めるショッピング・センターやアミューズメント施設を誘致し、それを起爆剤に治安改善を行う訳だ。ヒューマンスケールを逸脱した高層アパート群は、改修、あるいは、取り壊しを行い、低層の高級集合住宅に建て替え始めている。場所のイメージを良くする事で、中産階級、あるいは、上流階級の招致を試みているそうだ。 |